住宅の気密性能とは?重要である9つの理由や注意点、C値についても解説
戸建て住宅を購入する際、「高断熱・高気密住宅」を選ぶ人が増えています。この記事では、住宅の購入を検討している人に向けて、特に高気密に関わる「気密性能」「C値」とは何か。また、なぜ住宅の気密性能が重要であるのか、その理由や注意点についても分かりやすく解説します。ぜひ役立ててください。
気密性能とは
住宅における気密性能とは、住宅の隙間をできる限り減らし、室内の空気を屋外と分断する性能のことです。気密性能の高い住宅は、室内の温度や湿度をコントロールしやすいため快適性に優れています。さらに暖冷房などで調整した室温を保ちやすく省エネにつながることに加え、住宅の寿命にも大きく関わります。
現在は「高断熱・高気密住宅」が主流
断熱性能の高い「高断熱」と、気密性能の高い「高気密」が一緒に語られる理由は、双方が大きく影響し合うからです。断熱性能の高い住宅は、断熱材で家を包み込むような施工をするため、自ずと気密性能も高くなります。また、気密性能が高くなければ、暖冷房で快適にした室温をそのまま保つことができません(断熱性を保てない)。これらの理由から、両方にこだわった「高断熱・高気密住宅」が主流になりつつあります。高断熱・高気密住宅は、「省エネ住宅」として国も推奨しています。
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C値とは
C値とは「相当隙間面積」のことで、住宅の気密性能を具体的に表す数値です。C値が小さいほど隙間が少なく、「気密性能が高い」といえます。「相当」とあるのは、隙間の量を測定することで隙間面積を仮説的に示した値だからです。実際の面積と完全に一致するわけではないため、「相当」という言葉が使われています。
C値の計算方法
C値は、建物の床面積1㎡当たりにどれくらいの隙間面積(1c㎡)があるかを示します。計算式は、下記です。
C値(c㎡/㎡)=建物全体の隙間面積(c㎡)÷延べ床面積(㎡)
例えば、床面積150㎡の建物でC値が5c㎡/㎡の場合、その建物全体の隙間は750c㎡あることが分かります。
C値の測定方法
C値は、専用の機器を用いた「気密測定」によって測ります。具体的には、機器で室内の空気を抜いていきます。隙間が少ないほど、外から入ってくる空気量も少なくなり、室内の気圧も下がっていきます。この室内の気圧と、屋外の気圧の差によって、隙間量を示すC値を算出します。この気密測定は、測定の結果次第で改善できるよう、完成後ではなく、その手前の断熱施工・気密施工後のタイミングで行われるのが一般的です。
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気密性能が重要である9つの理由
住宅における気密性能が重要である理由について、9つの観点から解説します。
光熱費が抑えられる
前述でも触れましたが、気密性能の高い住宅は室内の空気を屋外と分断することができます。そのため外気の影響を受けにくく、また暖冷房で調整した快適な空気をしっかりと保つことができます。暖冷房を効率よく使用できるため、結果的に光熱費を抑えることができます。
効率よく空気の入れ替えができる
気密性能が高いと、建物全体の換気をコントロールできます。生活によって室内にこもった匂いや二酸化炭素、その他の体によくない物質を換気によって効率よく建物外へと排出することで、室内の空気をよい状態に保てます。逆に気密性能が低いと、隙間から空気が漏れてしまい、効率よい換気ができません。
断熱性能を保てる
高い断熱性能で屋内外の熱移動を少なくしても、気密性能が低ければ、隙間から屋内外への空気の流出入によって、断熱性能の効果が薄くなります。つまり、気密性能と断熱性能の両方がそろってこそ、それぞれのメリットが生き、室内の快適性を保つことできるのです。
快適な湿度を保てる
気密性能が低いと、特に梅雨を含めた夏の時期に屋外から湿気が侵入しやすくなります。屋内の湿度が高すぎると、カビやダニが発生する原因にもなります。逆に気密性能の高い住宅は外気の影響を受けにくく湿気を遮断することができるため、快適な湿度を保てます。
結露を防げる
気密性能が高いと、結露の発生を抑えることができます。結露には、窓ガラスやサッシ、壁などの表面で発生する「外部結露(表面結露)」と、室内の湿気が壁の中(断熱材や木材部分)や天井裏などに侵入することで発生する「内部結露」があります。特に内部結露は発生していても気付きにくいため、「気付いたときには腐食やカビが進んでいた」ということにもなりかねません。結露を防ぐことは、快適さだけではなく、住宅の劣化を防ぎ耐久性を保つためにも重要なのです。
外から汚染物質が入りにくい
外気には、花粉やPM2.5など、人体に好ましくない物質も存在します。気密性能が高ければ、これら汚染物質が屋内に入りにくくなります。その上で屋内の換気をしっかりコントロールすることで、室内の空気をよい状態に保つことができます。
ヒートショックのリスクを減らせる
めまいや失神、心筋梗塞などを引き起こすヒートショックは、主に急激な温度差が原因で起きます。暖房で暖められた部屋と、廊下やトイレ、脱衣所などの温度差が大きくなりやすい冬場は、特に注意が必要です。気密性能の高い住宅は、この温度差が少ないため、ヒートショックのリスクを減らすことにもつながります。
防音効果が高い
気密性能の高い住宅は、隙間が少ないことに加え、敷き詰められた断熱材が音を吸収してくれます。屋内の音が外に漏れにくく、また屋外の騒音や近隣の生活音も入ってきにくくなります。気密性能を高めると、遮音性能や防音効果も期待できるのです。
床・足元が冷えにくい
基礎から気密性能にこだわった住宅は、隙間が少なく外気の影響を受けにくいため、床や足元の空気が冷えにくくなります。そのため暖房を効率よく効かせることができ、足元から暖かく過ごすことができます。
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気密性能の注意点
ここまで気密性能の重要性を解説してきましたが、「注意点」もあります。以下で解説します。
以前は国により、C値の基準は「寒冷地で2.0cm2/m2以下、その他の地域では5.0cm2/m2以下」と定められていました。しかし、2009年の改正省エネ法でこの基準はなくなりました。現在、気密性能の明確な基準はありませんが、住宅の性能を示す重要な数値であることは変わりません。日本ハウスホールディングスの高気密住宅の基準は、0.5cm2/m2以下であり、以前の国の基準よりかなり高いレベルで設定しています。
気密性能(C値)は永久に保たれるわけではない
気密性能は、新築から少しずつ劣化していきます(C値が高くなっていく)。さまざまな要因がありますが、例えば、窓やドアの開閉などで隙間が大きくなることもあります。また、リフォームやエアコン設置のタイミングも、注意が必要です。リフォームやエアコンの取付工事で隙間ができる場合もあるので、信頼できる施工会社や業者に依頼するようにしましょう。気密性能が劣化していくことを見越して、新築の時点で気密性能を高くして(C値を低くして)おくのが理想です。
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気密性能を上げるには
住宅の気密性能を上げるには、施工に対する高い技術力が必要です。C値の基準を公表していなかったり、C値の基準を低いレベルで設定している施工会社もありますが、新築を建てる際には、C値の基準を高いレベルで設定している住宅メーカーや工務店に依頼するのがおすすめです。あらかじめ担当者にC値の基準を確認することで、気密性能の高い住宅を建てる技術力を持っているかどうか判断する材料にもなります。
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まとめ
なぜ今、「高断熱・高気密住宅」を選ぶ人が増えているのか、住宅にとって気密性能が重要である理由から解説してきました。気密性能は、快適性だけではなく、健康面や省エネ、住宅の耐久性などにも関わる性能です。現在は、国のC値の基準はありませんが、C値にもこだわって建てることをおすすめします。
日本ハウスホールディングスの高気密住宅の基準は、0.5cm2/m2以下であり、以前の国の基準よりかなり高いレベルで設定、1棟1棟測定し、住宅性能認定証としてお客様に発行、安心の形としてお渡ししています。「高断熱・高気密住宅」に興味がある方は、カタログや展示場をぜひご利用ください。
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