住まいのコラム

一戸建て住宅におすすめの暖房とは?暖房選びのポイントから冬でも暖かい住宅の条件を解説

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冬でも暖かく過ごせるマイホームを建てるためには、住宅に適した暖房を活用し、寒さ対策を行う必要があります。この記事では、寒さ対策として暖房の種類を検討している人に向けて、暖房の種類別のメリット・デメリットを解説します。また、暖房選びのポイントや冬でも暖かい住宅に不可欠な条件なども解説するため、ぜひ参考にしてください。

住宅の条件で必要になる暖房の種類は異なる

住宅の条件で必要になる暖房の種類は異なる

住宅の構造や間取りの種類などによって、室内の暖かさは変わります。以下では、構造や間取りごとの特徴について解説します。

建物の構造・気密性能・断熱性能によって部屋が暖まるスピードが異なる

木造住宅は、外気温を遮断し、室内の冷気や暖かい空気を外に逃がさないため、夏は涼しく、冬は暖かい特徴があります。一方、鉄筋コンクリート造は、気密性が高く、建物の内部に熱がこもりやすい構造のため、冬は暖かいものの、夏は熱がこもりやすくなります。このように、どのような構造の住宅を建てるかによっても、暖房の選び方を変えなければなりません。

暖房効率は間取り・気密・断熱仕様によって左右される

一般的に、断熱性が低い住宅は暖房が効きづらいといわれています。室内で暖房を使用しても、暖かい空気が窓や床などから屋外へ放熱されるため、室内はいつまでも冷えた状態になってしまいます。また、暖かい空気は上にたまりやすい性質があるため、リビングに階段がある、吹き抜けがあるなどの間取りでは、気密性を高めるなどの対策を講じないと暖房効率が悪くなるでしょう。

一戸建て住宅で利用できる暖房を大別すると?

一戸建て住宅で利用できる暖房を大別すると?

暖房機器には、さまざまなタイプがありますが、比較的広範囲を温めるのに適した暖房方式として、パネルヒーターなどの「輻射式」と、エアコンなどの「対流式」に分けることができます。また、部分的で狭い範囲を温めるのに適した暖房方法としては、ホットカーペットのような「伝導式」といった物もあります。暖房方式によって暖められる範囲が異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで、住宅にあう暖房機器を選ぶことが大切です。

「輻射式」とは、赤外線を当てることで人や壁、床などの表面温度を温める事で室内全体を暖めるタイプで、「対流式」は、暖めた室内の空気の流れをつくって循環させるタイプの暖房機器です。 「伝導式」は、直接身体に触れ、熱が伝わるタイプの暖房方式ですので、室内全体を温める暖房方式としては、あまり向いていません。

部屋の広さや断熱性、気密性、もしくは用途などによって、暖房の種類・方式を使い分ける必要があります。

住宅全体を暖める暖房のメリット

住宅全体を暖める暖房のメリット

住宅全体を暖められる暖房は、地域を選ばずに使用できるため、毎年のように積雪がある寒冷地などにもおすすめです。建物内全体を暖めるため、部屋ごとの温度変化が少なく、ヒートショックなどの事故を予防できます。また、吹き抜けやリビング階段など広い空間を設けても快適な暮らしが可能です。

セントラルヒーティング

セントラルヒーティングとは、家全体を暖められる熱源装置を用い、各部屋にパネルを設置するタイプの暖房です。「全館集中暖房」や「中央暖房」とも呼ばれることがあります。風が発生しないため、室内の乾燥を防げるほか、やけどや火事などのリスクがないことから、安全性の高い暖房機器として知られています。窓の近くにパネルを設置することでコールドドラフトを抑えることができます。

ただし、暖まるまでには時間がかかるほか、熱源装置などの設置費用やイニシャルコストがかかりますが、連続運転させることで逆にランニングコストを抑えることができます。

薪ストーブ

薪ストーブは、輻射式の暖房機器で、輻射熱によって住宅全体を暖めることが可能です。薪を燃焼させて暖めるため、電気代がかかりません。ただし、薪の購入費用や薪割りの準備が必要なほか、置き場所を確保するなどの手間が生じます。また、住宅全体を暖めるには時間がかかります。さらに、ストーブの煙突内にたまるススの清掃などのメンテナンスも必要です。

全館空調システム

全館空調システムには、輻射式や対流式、両者を組み合わせたハイブリッドタイプがあります。1年中、住宅内の温度を一定に保てるため、冬場に発生が多いヒートショックや、高温多湿の環境で起こりやすい熱中症の防止策としても有効です。とくに、寒冷地では、このようなセントラルヒーティングがおすすめです。

ただし、システムの導入コストがかかるほか、高気密高断熱住宅でなければ、効果が得られません。

室内を暖める暖房のメリット・デメリット

室内を暖める暖房のメリット・デメリット

室内を暖める暖房は、地域を選ばずに利用できます。なかでも、燃料を使用するタイプの暖房機器は、寒冷地におすすめです。

エアコン

エアコンは、室内の温度を一定に保てるうえに、灯油など燃料を必要としないことから安全性が高く、夜間や短時間の外出時でも使用できます。最近は高効率エアコンに変更することで、電気代を抑える効果も期待できます。ただし、乾燥しやすいため、加湿器との併用が欠かせません。また、気密性や断熱性が低い住宅では部屋を一定の温度に保ちにくいため、余計な電気代がかかる可能性があります。

床暖房

床暖房は、輻射式の暖房で、主に「電気式」と「温水式」の2種類に分けることができます。住宅のどこにいても足元が暖かいため、冬場でも裸足で過ごせます。一方、温水式は暖まるまでに時間がかかるため、すぐに室内を暖めたいという場合に向いていません。電気式はランニングコストが温水式よりかかります。また、床下に床暖房システムの装置を埋め込む工事が必要なため、初期費用がかかります。

オイルヒーター

オイルヒーターは、内蔵された難燃性のオイルを燃焼させる際に発生する、放射熱を利用するタイプの暖房機器です。空気自体を暖めるため、部屋の乾燥を防げます。また、燃料を補給する必要がないため、メンテナンスの手間もかかりません。ただし、電気代がかかるほか、室内全体を暖めるまでに時間が必要です。

石油ストーブ

石油ストーブは、灯油を燃焼させた放射熱を利用し、室内全体を暖めることができる暖房機器です。電気を必要としないため、灯油さえあれば災害時や停電時にも使用できます。ただし、灯油のにおいがしたり、一酸化炭素中毒のリスクが高まったりするため、定期的な換気が不可欠です。また、使用中はストーブが高温になるため、やけどや火事への対策も欠かせません。

部分的に暖める暖房のメリット・デメリット

部分的に暖める暖房のメリット・デメリット

部分的に暖めるタイプの暖房機器は、どの地域でも利用できます。ただし、寒冷地では十分な暖かさを確保できない可能性があります。

電気ストーブ

電気ストーブは輻射式で、電源を入れると同時に暖かくなる速暖性に優れた暖房機器です。ただし、電気代がかかるほか、電源を切るとすぐに冷えるため、使用中でしか暖かさを感じられません。

セラミックファンヒーター

セラミックファンヒーターは、内蔵された電熱線の熱を利用して暖かい空気を放出するタイプの暖房機器です。温風が当たる部分だけを暖められます。また、おしゃれなデザインのものも多いです。ただし、室内全体を暖めたい場合には向いていません。

ホットカーペット

ホットカーペットは、比較的安い費用で購入できるうえに、使用しない時期は折りたたんで収納できるメリットがあります。ただし、部屋の温度を上げるほどの機能はないため、カーペットに触れる部分しか暖められません。

こたつ

こたつは、電源を入れると同時に暖かくなるため、速暖性が高い暖房機器といえます。比較的安い電気代ですみます。ただし、配置や収納に場所をとるほか、インテリアとのバランスを考慮しなければなりません。

一戸建て住宅の暖房選びのポイント

一戸建て住宅の暖房選びのポイント

住宅にあった暖房機器を選ぶために、以下で解説するポイントを参考にしましょう。

優先順位を決める

まずは、何を優先させたいのかを明確にする必要があります。たとえば、部屋全体を暖めたいのか、子供や高齢者でも安全に使用できる暖房機器を選びたいのかなどを検討します。そのうえで、優先度が高い条件にあった暖房方式や、適した機能をもつ暖房機器を選ぶことが大切です。また、メンテナンスのしやすさも考慮しましょう。

地域や住宅構造・気密性能・断熱性能にあった暖房を選ぶ

上述したとおり、地域や住宅の構造によって、暖房の選び方は変わってきます。とくに、北海道や東北などの寒さの厳しい寒冷地では、住宅全体もしくは室内全体を暖められる暖房機器を選ぶことが重要です。また、暖房本来の性能を活かすためには、住宅の気密性や断熱性との相性も考慮したうえで、検討しましょう。

部屋の広さや用途にあった暖房を見極める

暖房機器の選び方は、暖房を使用したい範囲によって変わります。たとえば、室内全体を暖めたい場合は、部屋の広さにあった暖房機器を選ばなければなりません。また、寝室で使用する場合は、室内を乾燥させにくく、モーター音などがしない静音設計のものや、安全性が高いものである必要があります。

また、エアコンとカーペットを使用するなど、暖房機器を併用する方法もおすすめです。

窓や床の寒さ対策

窓や床の寒さ対策

暖かい空気は上へ昇り、冷たい空気は下へとたまりやすい性質があります。そのため、暖かい空気を屋外に逃がさないための対策も必要です。

床への寒さ対策で足元の冷えを改善する

足元の冷えを改善する方法として、無垢床材を使用する方法があります。無垢材は、裸足でも心地よさを感じられるうえに、冬場でもひんやりしません。また、フローリングを床暖房にする、床全面をカーペットにするなどの方法も、床への寒さ対策に効果的です。建築後にリフォーム工事を行うことも可能ですが、コストを考えるなら新築時がおすすめです。

窓への寒さ対策で屋外の冷気を遮断する

暖かい空気は、外気で冷やされた窓に触れることで温度が低下し、室温を下げてしまいます。このような部屋で暖房機器を使用しても、本来の暖房性能を活かせません。室内の暖かさを保つためには、屋外の冷気を遮断できる窓を選ぶことが大切です。たとえば、断熱性能が高いとされる「二重窓」や「トリプルガラス樹脂窓」などが有効です。

冬でも暖かい住宅の条件

冬でも暖かい住宅の条件

暖かい住宅にするには、住宅性能を高めることが重要です。以下では、暖かい住宅に欠かせない「高気密」と「高断熱」の特徴を解説します。

高気密

高気密の特徴は、住宅内部の気密性が高く、屋外の冷気を遮断できるほか、室内の暖かい空気を屋外に逃がさないことです。高気密の住宅では、暖房効率を高めやすいため、室内を暖めるまでの時間を短縮できます。

ただし、空気が住宅内部にこもりやすいため、24時間の熱交換換気の設置が不可欠です。窓を開けて空気の入れ替えをするなどの対策も良いでしょう。

高断熱

断熱に優れた住宅では、外気を遮断できるため、夏は涼しく、冬は暖かい環境を保てます。ただし、壁と壁の間に断熱材を入れる際に、隙間ができてしまうと、壁内結露が発生する可能性が高いです。

結露を放置すれば、住宅の劣化が進みやすくなるため、結露対策は不可欠です。たとえば、優れた調湿機能をもつ桧を住宅の建築資材として利用する方法もあります。

日本ハウスHDの「桧の家」は、結露防止におすすめの住宅です。桧を屋内の仕上材に使用し、木の調湿機能で室内の湿度調整ができます。実際に、北海道や東北などの寒冷地の実績も豊富です。

まとめ

まとめ

住宅にあった暖房を選ぶには、暖房機器の特徴はもちろん、用途に合った種類を見極める必要があります。まず、優先順位を決めてから地域や住宅構造にあった暖房を選びましょう。暖房効率を高めたい場合は、高気密・高断熱を考慮した住宅がおすすめです。

日本ハウスHDは、高気密、高断熱で基本性能の高い住まいをご提供、さらに直営工事や耐震施工、一貫した担当窓口のほか、アフターサービスの充実などに強みがある会社です。桧品質やゼロエネ品質、快適品質などを実現する、自由度の高い施工にも応じられます。興味がある方は、カタログや資料請求がおすすめです。