ヒートショック対策を廊下に行う理由や方法とは|その他対策が必要な場所と合わせて解説
廊下でのヒートショック対策としては、「床暖房を入れる」「小型の暖房器具を置く」「玄関との間を仕切る」などさまざまな方法があります。ヒートショックは身体に悪影響を及ぼすため、家全体に対策を行うことが重要です。住宅を建てる際にできる対策や生活の中に取り入れられる工夫などを、分かりやすく解説します。参考にしてください。
目次
ヒートショックとは
ヒートショックとは、主に急激な温度差が原因で血圧が大きく変動し、身体にダメージを受けることです。めまいを起こすだけでなく、失神、心筋梗塞や脳梗塞など重大な病気を引き起こすリスクがあります。暖房で暖められた部屋と、廊下やトイレ、脱衣所などの温度差が大きくなりやすい冬場は、特に注意が必要です。
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ヒートショック対策を廊下に行う理由
ヒートショックは、入浴前後の事故として取り上げられることも多いですが、廊下の寒さが原因に引き起こされることもあります。暖かい部屋からトイレに行ったり、来客に対応したりするために部屋から廊下に出た瞬間、ヒヤッとした寒さ・冷たさを感じる場合は、注意が必要です。住宅を建てたり、リフォームをしたりするとき、部屋の暖房対策は施されますが、廊下の対策は見逃されがちです。
ヒートショックが原因の事故が増加している
厚生労働省によると、2020年の「家及び居住施設の浴槽における死亡者数」は 4724 人で、「交通事故」による死亡者数の2倍以上発生しています。また、東京消防庁の「救急搬送データからみる高齢者の事故」では、12月〜3月にかけて多くの高齢者が救急搬送されています。これらのデータを踏まえ、消費者庁では事故の要因の一つとして「ヒートショック」を挙げ、めまいなど比較的軽い症状からも事故につながることを注意喚起しています。なお、比較的寒さとは無縁の地域での事故が多いことから、ヒートショックのリスクは、住宅の性能(部屋間の温度差)に左右するとも考えられます。
未然に防ぐ工夫が重要
ヒートショックは、住宅を建てるときやリフォームするときにしっかり対策をとること、そして日々の暮らしの中で未然に防ぐ工夫をしておくことが重要です。疾患が生じてから対処するのではなく、“起こさないように暮らす”ということが大切です。
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普段の血圧を測っておくとよい
ヒートショックが気になる場合は、普段の血圧を測って記録しておくのがおすすめです。普段の血圧を把握しておくことで、不調時に健康時との比較ができます。また、何かの拍子に血圧が急上昇してしまう状態を「血圧サージ」といい、近年、年齢が若い人や健康状態が正常な人でも注意が必要なものとして注意喚起されています。この血圧サージの要因には、仕事や家事、人間関係のストレスなどさまざまなものがありますが、急激な寒暖差も要因になるといわれています。
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ヒートショックが起こる仕組み・起こりやすい場所
ヒートショックは、主に急激な温度差のある場所、場面で起こります。10度以上の温度差がある場合は、危険だといわれています。冬期間は暖房をつけている部屋と廊下やトイレとの温度差が10度を超えることも多いことから、特に注意が必要です。
発生の仕組み、特に注意が必要な人とは
どのような仕組みでヒートショックが起こるか、入浴時を例に挙げて解説します。暖房が効いたリビングにいるときは血圧が安定しています。入浴のために冷えた廊下を通って寒い脱衣場へ移動し、服を脱ぎ浴室に入ります。このとき身体の中では、急激な温度の低下で血管が縮み、血圧が急速に上昇しています。そこから暖かい浴槽に浸かると、今度は一気に血管が広がり血圧が急速に低下します。このように血圧の急激な変化により、ヒートショックが発生するのです。特に、65歳以上や高血圧、糖尿病などがある人、睡眠時無呼吸症候群、肥満、不整脈の方は注意が必要です。
ヒートショックが起こりやすい場所、場面
前述のとおり、ヒートショックは急激な温度差によって起こります。暖かいリビングと冷えた廊下の温度差が引き金となるほか、トイレや洗面脱衣所、浴室、玄関など寒い空間への移動もリスクがあります。温度差がある全ての場所、場面で発生する可能性があると考えてもよいでしょう。家の中だからといって安心せず、温度差に注意して過ごすことが大切です。
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住宅内における冬場の温度差対策の重要性
夏場の熱中症予防も大事ですが、冬場の温度差対策も重要です。なぜなら、先に触れてきたとおり、温度差による血圧の急激な変動が健康によくないからです。その日その瞬間は大丈夫だったとしても、身体への負担は日々蓄積され、高齢になるほどダメージを受けやすくなります。若い人にもリスクはありますが、特に中年期頃からは注意が必要です。温度差の少ない、暖かい住宅で暮らすことは、長期的な視点で健康を維持する大きな助けとなります。
家全体を暖めることが大事
ヒートショック対策には、リビングだけを暖めるのではなく、廊下やトイレなどを含めた住宅内全体を暖め、部屋間の温度差を少なくすることが重要です。温度差を少なくする方法としては、例えば、窓のカーテンを閉めて外からの冷気の進入を防ぐ方法もありますが、次項以降で効果的な対策を紹介します。
断熱工事やエアコン、床暖房などが役立つ
断熱工事を行い、室内の温度が外気温の影響を受けにくくする方法がおすすめです。さらにエアコンや空調システムを利用し全室を暖めるとともに、廊下や玄関などのエアコンが設置しにくく冷えがちな場所には、床暖房やヒーターなどの設備設置が効果的です。これらを組み合わせることで、相乗効果も期待できます。
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住宅内、場所別のヒートショック対策例
ヒートショック対策として、住宅内全体や場所別に温度差を少なくする方法を紹介します。
家全体もしくは各必要箇所の断熱性を高める
ヒートショック対策の基本は、最初から断熱性能の高い住宅にすることです。家全体の断熱性能を高めるには、床下温度を保つ床下断熱、断熱・気密性能を高める壁構造、冷気や風を遮断する窓やドアなどの開口部性能が、特に重要となります。また、リフォームで断熱性能を高めるには、天井や壁、床に断熱材を入れたり、内窓を設置したりするなどの方法があります。新築の場合は厳しい断熱基準を設定している住宅メーカーや工務店を、リフォームの場合は断熱工事に強いリフォーム会社を選ぶとよいでしょう。
廊下
部屋と廊下の温度差は、廊下にも床暖房を入れることで少なくできます。床暖房を入れられない場合は、電気カーペットを敷くのも効果的。さらにカーペットと床の間にアルミ遮断シートを敷くと、より床冷えの対策になります。また、廊下の冷えの原因の一つは、玄関からの冷気です。玄関との間をカーテンなどで仕切り、冷気をシャットアウトするのも効果があります。パネルヒーターなど小型の暖房器具も適宜取り入れることで、廊下の体感温度を高められます。
トイレ
手軽な対策は、パネルヒーターなど小型の暖房器具を置くことです。冷えた便座に座ったときにヒートショックを起こすこともあるため、温水暖房便座の設置も予防になります。また、トイレに窓を設置する場合は二重窓(二重サッシ)にしたりカーテンを取り付けることで、外からの冷気の進入を弱めることができます。新築で間取りを検討できるなら、寝室の近くにトイレを設けるのもおすすめです。
浴室・洗面脱衣所
浴室と洗面脱衣所は、ヒートショック対策としてリビングとの温度差を最も少なくしたい場所です。浴室暖房機や洗面所暖房設置で、空間を暖めることが理想的です。昔ながらのタイル張りの床や壁は、レトロな雰囲気で良い面もありますが、冷えやすいため、ヒートショック対策としては樹脂など断熱性の高い素材を使用するのがおすすめ。万が一のめまいなどに備えて手すりも取り付けると「安心」が増します。すぐに取り入れられる対策は、シャワーを使って浴槽にお湯をためたり、浴槽のふたを開けておくなど、お風呂に入る前に蒸気で浴室を暖めておくことです。
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生活内でのヒートショック対策例
ヒートショックに気を付けながら過ごすには、温暖差を避けること、身体を冷やさないようにすることがポイント。暖かい部屋から廊下に出るとき、冷たい床に直に足を触れないように厚手の靴下やスリッパを履く。ゴミ出しなどの少しの時間であっても、寒さ対策をして外に出る。入浴は、できるだけ気温の高い、早めの時間に済ませる。入浴のお湯の温度は低めに設定し、浴槽からあがるときはゆっくりあがる。お風呂の夜中にトイレに行くときも、寒くないように何かを羽織る。これらを意識すると対策になります。
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住宅へのヒートショック対策を行うには
ヒートショック対策を最も効果的にできるのは、住宅を建てるタイミングです。住宅の設計・施工を、厳しい断熱基準を設定している住宅メーカーや工務店に相談するのがおすすめです。またリフォームであれば、自分で行うことで費用を抑えることができますが、断熱工事は難しい点もあります。 その場合は、断熱工事に強いリフォーム会社に相談しましょう。
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まとめ
ヒートショックのリスクは、高齢者だけではありません。比較的若い年齢であっても、注意が必要です。この記事では、すぐに取り入れられる対策(工夫)も紹介しましたが、生活習慣で防ぐのではなく、ヒートショックを起こさない(リスクの低い)住宅環境で暮らすことが、とても重要です。
ヒートショックのリスクの低い住宅とは、高い断熱性能によって家全体が暖かく保たれ、部屋間の温度差が少ない住宅です。日本ハウスHDでは、HEAT20 G2基準をクリアする高い断熱性能を備えた家づくりを行っています。断熱性能の高い、省エネ住宅に興味がある方は、カタログや展示場をぜひご利用ください。
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