住まいのコラム

日本家屋を新築するメリットは?日本家屋の特徴や、長く住める家を建てるコツも解説

日本家屋イメージ

日本家屋と洋風建築は、素材からスタイル、建築にあたって注意すべき点まで大きく異なります。しかし、日本家屋を新築するにはどのようなことに気をつけるとよいでしょう。ここでは、日本家屋を新築しようと検討している人に向け、日本家屋の特徴やメリット、災害に強く長く住める家を建てるコツについて解説します。

日本家屋の特徴とは?

日本家屋の特徴とは?

日本家屋の定義を踏まえ、畳や軒、ふすまなど、日本家屋特有のスタイルについて紹介します。

日本家屋の定義

日本家屋は、日本特有の自然素材を使い、伝統的な建築方法でつくられています。建築素材もスタイルも洋風建築と異なり、日本の気候と相性のよい建物です。

日本家屋特有のスタイル

日本家屋ならではのインテリアには、聞きなじみのないものもあるかもしれません。日本家屋特有のスタイルについて紹介します。

香り豊かな「い草」で編まれた床材です。フローリングと比べると弾力があり、何も敷かなくても、寝転んだりくつろいだりできます。また、汚れたらこまめに掃除し、数年ごとに表替えをすると長く使えます。

軒(のき)

軒とは、屋根の一部が壁よりも外側にせり出したものです。夏の強い日差しが室内に入り込むのを遮るなど、四季に応じて光量を調整する機能があります。また、雨から外壁を守る役割も果たします。

ふすま・障子

ふすまも障子も引き戸の一種です。ふすまの表面には「表紙」といわれる和紙が貼られています。表紙のデザインは好みに応じて変更可能です。障子には「障子紙」が用いられます。障子はデザインが多いため、猫間障子や雪見障子など用途に応じて楽しみましょう。

ふすまも障子も取り外し可能で、間取りの改変が容易です。たとえば、隣接する部屋をつなげて利用すると、来客時に大部屋として使えます。

土間

床材を張らない床を土間と呼びます。かつて土間は、台所や玄関でよく見られました。床に直接、水をかけて洗えるため、食べこぼしや靴についた土や砂ぼこりを簡単に掃除できます。また、土間の面積を広くすると、自転車やベビーカー置き場として使ったり、訪問客をもてなしたりと柔軟に使えます。

地窓(じまど)

地窓とは、床に近い位置に設けられた小さな窓です。外からの視線を気にせず、換気や採光を行えます。また、床に座っているときに、庭などの景観を楽しむ目的でも使われます。

瓦は、日本家屋の耐久性を高める目的で、古くから屋根に使われてきました。粘土を高温で焼き固めた瓦は頑丈で、経年劣化しにくい素材です。ただし、瓦を屋根に取り付ける粘着剤(漆喰・南雲漆喰)などの劣化が懸念されるため、瓦屋根には定期的なメンテナンスが必要です。

塗り壁

漆喰や珪藻土などを含むペースト状のものを、コテで塗り乾燥させたものが塗り壁です。きれいな塗り壁を完成させるには、職人の腕が問われます。また塗り壁は丈夫なため、洋風建築で壁に貼られるクロスとは異なり、基本的に塗り直す必要はありません。

縁側

和室から張り出した板張りの部分で、庭と室内をつなぐ場所を縁側と呼びます。縁側は、家のなかにいながら自然を楽しめる場所です。雨の日でも濡れることなく外気を感じ、夏には夕涼みができます。各家庭それぞれ、いろいろな縁側の楽しみ方を考えてみましょう。

床の間

和室の一角につくられる、床よりもやや高い場所を床の間とよびます。床の間は客間につくられることが多く、掛け軸や花瓶などの美術品、生け花などを飾り、来客をもてなします。

書院

床の間の横につくられた空間で、障子窓と小さな棚で構成されています。縁側にはみ出す形でつくられるケースもあります。本来書院とは、書物を読むために設けられたものです。ただし現代では、採光やインテリア目的で設置されるのが一般的です。

日本家屋に使われる素材と特徴は?

日本家屋に使われる素材と特徴は?

日本家屋には、自然由来の素材が多く使われます。素材の詳細について解説します。

漆喰・珪藻土

塗り壁に使われる自然素材で、建物の断熱性・保温性・調湿性・抗菌性などを向上させます。日本では季節ごとに温湿度の変化が顕著ですが、漆喰や珪藻土による塗り壁は、蒸し暑い夏や底冷えして乾燥する冬でも快適な環境を保ちます。

和紙

和紙は、ふすまや障子、天井、壁紙などに使われ、デザインの豊富さが持ち味の素材です。和紙を通すと光が柔らかくなり、夏の強い日差しもやさしい印象に変えます。また、調湿性もすぐれています。

木材

木材は日本家屋には欠かせない素材で、柱や床材などに使われます。上質な木材を丁寧に加工した床は滑らかで、素足で歩いても違和感がありません。また、樹の種類ごとに木目や色味などの味わいは変わるため、好みの木材を探してみるのもよいでしょう。

日本家屋を新築するメリットは?

日本家屋を新築するメリットは?

日本家屋のメリットについて、暮らしやすさや木造建築の強みにふれつつ紹介します。

快適な湿度の維持

日本家屋には日本の気候に適した自然素材が使われ、外気が出入りしやすいようにつくられています。そのため、洋風建築の家よりも調湿機能にすぐれるというメリットがあります。たとえば、梅雨のジメジメした時期にはカビの発生を防ぎ、冬は乾燥を防ぐことで体の不調を和らげます。

心地よい光と音

障子を閉めると強い日差しがよい塩梅に和らぎます。また、ふすまでも開き具合により光量を調整可能できるのも、日本家屋のメリットです。和紙や木材、塗り壁は音を吸収しやすく、瓦も雨音を遮ります。このように、日本家屋では心地よい光と音につつまれて過ごせます。

美しく高機能な瓦

瓦は、通気性・断熱性・防火性・耐久性などにすぐれる高機能な素材です。台風や地震が多い日本において、瓦は家を守る重要な素材です。また、元々は重いものが当たり前であった瓦ですが、近年では軽量化したものも登場しています。

瓦の種類により色ツヤは変わります。機能性とデザインにこだわり瓦を選びましょう。

災害に強い木材

日本の洋風建築は、一般的に数十年ほどで劣化すると言われます。しかし、歴史的な木造建築には災害に強いものが多く、奈良の正倉院(756年建造)などは、建築当初から1300年ほど経っていますがいまだに健在です。

そもそも木材は耐久性や柔軟性が高く、災害に強い建材として重宝されています。安価な建築材を使わず従来の在来工法で建築すると、木材の機能を存分に生かした強い日本家屋を建てられます。

日本家屋を新築するデメリットは?

日本家屋を新築するデメリットは?

納得できる日本家屋を新築するには、注意しておきたい点もあります。日本家屋のデメリットを紹介します。

広い敷地面積が必要

日本家屋には縁側などの開口部が多く、耐震性を考慮すると3階建など高さのある設計は不向きです。家族が快適に暮らせるだけの生活空間を確保するには、広い敷地を用意する必要があります。また、自然を楽しむために庭をつくろうとすると、さらにスペースが求められます。

夏は涼しいが冬は寒い

元来、日本家屋は「夏をむねとすべし」といって、夏を中心に考えるため、開口部が多く風通しの良い涼しい家づくりでしたが、現代においては耐震性やプライバシー確保により、風通しが悪くなる要素も増え、夏暑く冬寒い環境になるため、冷暖房費が増える懸念があります。断熱対策を正しく施工出来る建築会社もありますが、安価な建材を使うと家の耐久性によくありません。高い技術をもち、信頼できる業者に建築を依頼しましょう。

インテリアや家具に制限がある

日本家屋は基本的に和風のデザインであるため、洋風の家具や家電があわない場合があります。この場合は、手持ちの家具や家電にカッティングシートを貼ってリメイクする、和風の部屋にもあう家具や家電を選ぶなどして、対応しましょう。インテリアや家具も和風でそろえることで、統一感のある居心地のよい環境が整います。

建築費用がかさむ

日本家屋を設計するには建築費用がかさみます。安価な建材を利用すると家の機能や耐久性に影響が出る恐れがあるため、建材の妥協はおすすめできません。また、伝統的な建築方法を用いるには、熟練の職人を確保するため人件費も必要です。建築費用を抑えるには、施工事例が多い住宅会社に依頼しましょう。

災害に強く長持ちする日本家屋を新築するには?

災害に強く長持ちする日本家屋を新築するには?

日本は、地震などの災害が多い国です。安心して長く住める日本家屋を建てるには、古くから日本で建築に使われてきた木材を選び、適切にメンテナンスしましょう。日本の風土に適した木材としては、スギやヒノキなどが挙げられます。スギやヒノキの使用実績が豊富で、在来工法が得意な住宅会社に依頼すると、長持ちする日本家屋を建てられます。

まとめ

まとめ

日本家屋は日本古来の建築方法でつくられた建築物で、洋風建築とは素材もつくりも異なります。畳や瓦、ふすまなどの機能美が人気な日本家屋は、日本の風土にあった木材を使用し、在来工法を使って建築すると長持ちします。

日本ハウスHDでは、最高峰の建築素材「桧」にこだわっています。日本伝統の木造軸組工法に独自開発の最新技術を融合し、丈夫で長持ちする住まいを提供いたします。直営工事や耐震施工、一貫した担当窓口や、アフターサービスの充実などに強みがあり、 自由度の高い施工に応じることができます。

日本ハウスHDの注文住宅が気になった方は、カタログ請求やご来場予約をご検討ください。