二世帯住宅の間取りは3種類!メリット・デメリットを知って最適な住宅を建てよう
二世帯住宅の間取りを大別すると、ほぼ3種類に分けられます。この記事では、二世帯住宅を建てたいと考えている人へ向けて、それぞれの間取りのメリットとデメリットを解説します。間取りを考える際に意識したいポイントや建築費用の相場についても触れるので、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそも二世帯住宅とは?
ここでは、そもそも二世帯住宅とはどのようなものであるか解説します。
二世帯住宅の定義
親世帯と子世帯が一緒に生活することを前提としてつくられた住宅を、二世帯住宅といいます。生活に必要な設備をすべて共有する間取りもありますが、世帯ごとに生活空間を分けている間取りもあります。
二世帯住宅と同居や近居の比較
二世帯住宅を活用した暮らし方に似たものとして、同居や近居があります。すでに触れたとおり、二世帯住宅とは親世帯と子世帯がひとつ屋根の下で暮らすための住宅です。一方、同居は親世帯と子世帯が同じ住宅で暮らすことを表しています。同居は二世帯住宅での生活だけでなく、一般的な住宅での共同生活も含む表現です。
また、近居とはすぐ行き来できる近所に住宅を構え、頻繁にコミュニケーションを取りながら暮らすスタイルです。
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二世帯住宅の間取りは慎重に検討したほうがいい理由
二世帯住宅の間取りは慎重に検討する必要があります。ここでは、その理由について解説します。
介護
親世代が高齢の場合、一緒に生活するとなると介護も必要になる可能性があります。二世帯住宅を建てるなら、バリアフリーにも配慮しておきましょう。なお、二世帯住宅の新築時に親世代から資金援助を受けると、一定額まで贈与税が非課税となります。例えばバリアフリー住宅の場合、非課税の対象となるのは1,000万円までです(令和4年度の税制改正、住宅資金贈与の非課税措置が2年延長され、改正後は、2023年12月31日までとなりました。)
子育て
小さな子供がいるなら、子育てしやすい環境づくりも大切です。スムーズに子供の世話ができるよう、部屋の配置やつながりを工夫しましょう。また、段差を減らして転倒などのトラブルが起きないように配慮する必要があります。
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二世帯住宅の3種類の間取り
二世帯住宅の間取りは大きく分けて3種類あります。ここでは、それぞれの特徴を解説します。
完全同居型
生活に必要な設備や部屋を、親世帯と子世帯で共有する間取りです。そのため、玄関、リビング、キッチン、浴室などは、いずれもひとつずつとなります。それに加え、同居する人数に応じて寝室を設けます。親世帯と子世帯が日常的に交流できるため、一緒に暮らしているという感覚をもちやすいです。
部分共用型
親世帯と子世帯の生活空間を適度に分ける間取りです。玄関など一部の設備は共有しますが、リビング、キッチン、浴室などは世帯ごとにそれぞれ設けます。1階部分を親世帯、2階部分を子世帯が使用するケースが多く、一緒に生活しながらも、ある程度プライバシーを確保したい場合に向いています。
完全分離型
親世帯と子世帯の生活空間を完全に分け、全く別の世帯として暮らせるようにした間取りです。玄関、リビング、キッチン、浴室はいずれも別で、世帯ごとにそれぞれ設けられています。同じマンションの隣の部屋で生活するようなイメージです。別々に生活しながらも、必要があればすぐにコミュニケーションを取って協力し合えます。
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完全同居型二世帯住宅の間取りのメリット・デメリット
ここでは、完全同居型二世帯住宅の間取りのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
メリット
他のタイプの二世帯住宅では、生活に必要な設備を2つずつ設置しなければなりません。しかし、完全同居型二世帯住宅では生活に必要な設備をすべて共有するため、費用を安く抑えられます。間取りが一般的な住宅とほとんど変わらないため、将来的に一世帯になったときもそのまま住み続けられます。また、両世帯の距離が近く、いつでも様子が分かるため何かと安心です。
デメリット
両世帯が同じ空間で生活するため、それぞれの状況が常によく分かります。この点はメリットでもありますが、人によってはプライバシーを確保しにくいと感じるかもしれません。また、生活に必要な設備のすべてを共有しているため、世帯別の光熱費を把握するのが困難です。光熱費の費用負担について揉める可能性もあり、事前にルールを決めておく必要があります。
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部分共用型二世帯住宅の間取りのメリット・デメリット
ここでは、部分共用型二世帯住宅の間取りのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
メリット
部分共用型二世帯住宅は、一部の設備を両世帯で共有するため、ある程度近い距離で生活できます。生活空間を適度に分けているので、プライバシーを確保しながら程よい距離感を保てます。
世帯によって生活の時間帯が異なる場合でも、部分共用型二世帯住宅なら他の世帯に遠慮せず、それまで通りの暮らし方の維持が可能です。
また、一部の設備を共有するぶん、完全分離型二世帯住宅と比較すれば建築費用を安く抑えられます。
デメリット
すべての設備を分けているわけではないため、完全同居型二世帯住宅と同様、世帯ごとにどの程度の光熱費がかかっているか把握しにくくなります。そのため、どのような割合で費用を負担するかについては、あらかじめよく話し合っておく必要があります。
完全同居型二世帯住宅よりも世帯ごとの生活空間を分けやすいといえますが、完全分離型二世帯住宅ほどしっかりとプライバシーを確保できるわけではありません。ある程度は同居する他の世帯への配慮も必要となります。
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完全分離型二世帯住宅の間取りのメリット・デメリット
ここでは、完全分離型二世帯住宅の間取りのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
メリット
完全に生活空間を分けるため、プライバシーをきちんと確保できます。しかし、すぐ隣で暮らしているので、必要なときにすぐに顔を合わせられる安心感があります。
生活に必要な設備もそれぞれ用意しているため、光熱費も各世帯でそれぞれ把握できます。また、将来的に一世帯になったときは、半分の住宅を賃貸として貸し出すのもひとつの方法です。
デメリット
住居を分けて生活に必要な設備を2つずつ設置するので、建築にかかる費用も高めになります。他の二世帯住宅に比べ、住宅のために確保しなければならないスペースも広めです。また、完全分離型二世帯住宅では生活空間を完全に分けているため、意識的にコミュニケーションを取らなければ交流する機会がほとんどなくなってしまいます。
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二世帯住宅の間取りの考え方
ここでは、二世帯住宅の間取りはどのように考えたらいいか解説します。
プライバシー
二世帯住宅では2つの世帯が共同で暮らすため、プライバシーをどのように確保するか検討しておく必要があります。特に、世帯によって活動する時間帯が異なる場合、小さな物音でもストレスに感じるかもしれません。
たとえば、上下階で親世帯と子世帯の生活空間を分けるなら、水回りの設備は上下階で同じ位置になるようにしましょう。こうした工夫をすることで、お風呂、洗面、トイレなどの水回りを使用しても、他の世帯で音が気になりにくくなります。
バリアフリー
親世帯と一緒に暮らすうえでは、親世帯の老後の生活に備えることも重要です。親世帯が使用する生活空間や共有のスペースは、バリアフリーになるようデザインしましょう。
現時点は親世帯が元気だとしても、将来的には介護が必要になる可能性もあります。二世帯住宅を建てるときは将来を見通して設備や間取りを検討し、長く安心して暮らせるようにする必要があります。
家事分担
完全同居型や部分共用型の二世帯住宅では、両世帯で共有する設備があります。そのため、家事を分担しながら作業しなければならない場面も少なからず出てきます。二世帯住宅の間取りを考えるときは、実際にどのように家事を分担するか具体的にイメージしておきましょう。
それぞれの世帯の生活スタイルも考慮しながら、協力して家事を進めやすいレイアウトを考える必要があります。特に、キッチンをはじめとする水回りをスムーズに利用できるように工夫しましょう。
経済的分担
二世帯住宅では、各世帯の光熱費を別々に把握するのが難しいケースもあります。水道、ガス、電気の使用量や料金を明確に分けて把握するためには、二世帯住宅を建てるときに配管やメーターなども分けて設置しておかなければなりません。
あとから配管やメーターなどを分けるには、改めて工事が必要です。それぞれを引き直すとなると、費用は高額になります。暮らし始めてからの費用負担についても考慮し、トラブルなく生活できるようにしましょう。
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二世帯住宅を建てる際の費用相場
二世帯住宅を建てるための費用の相場は、間取りによってそれぞれ異なります。目安としては、設備仕様を比較した場合、完全同居型で2階トイレを設置した場合は単世帯住宅に比べて25~35万円前後、一部共有型でキッチン・トイレを別で設置した場合80~100万円前後、完全分離型で玄関、玄関収納、キッチン、洗面台、浴室など別で設置した場合200~240万円前後がプラスになってきます。(日本ハウスの標準仕様の設備を参考に算出)ただし、実際にかかる費用は、土地購入の有無や選ぶ設備のグレードなどによっても大きく変化します。理想の二世帯住宅をイメージしつつ、予算に合わせて具体的に検討しましょう。
また、建築を依頼するハウスメーカーのプランによっても費用は変わるため、自分たちに適した会社に依頼することが大切です。
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二世帯住宅を建てる際に利用できる補助金
ここでは、二世帯住宅を建てる際に利用を検討したい補助金について解説します。
すまい給付金
消費税率の引き上げに伴い、新しく住宅を取得する人の負担を軽減するために創設された制度です。住宅ローン減税による効果が十分ではないと判断できる世帯に対し、住宅ローン減税に加えて適用されます。すまい給付金の対象となるのは、一定の期間内(※)に契約していて、令和4年12月までに入居が完了した場合です。(令和4年度税制改正において、住宅ローン減税等の延長が盛り込まれ、それにともないすまいの給付金制度についても延長されました。)
※注文住宅の新築の場合 R2.10.1~R3.9.30迄
分譲・中古住宅の取得の場合 R2.12.1~R3.11.30迄
地域型住宅グリーン化事業
環境に対する負荷を低減する目的で創設された事業であり、木造住宅が対象となります。満たす条件によって、上限額はそれぞれ異なっています。令和4年度についても、予算の成立を前提として公募が開始されました。
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二世帯住宅を建てる際に覚えておきたい税金の知識
両親から金品を贈与されれば、年間110万円を超える金額に対しては贈与税がかかります。ただし、住宅を建てるための資金として贈与されたお金については、一定の条件を満たすと非課税の特例の対象として認められます。その条件はいくつかあり、年間の合計所得が2,000万円以下である場合などです。
また、小規模宅地等の特例により、二世帯住宅を建てて両親と暮らしている場合、両親が亡くなった際の相続税も安く抑えられる可能性があります。
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まとめ
二世帯住宅には複数の間取りがあり、それぞれの状況に応じて最適なものを選ぶ必要があります。各世帯の生活スタイルや希望するコミュニケーションの取り方を考慮しながら、自分たちに適した間取りを選択しましょう。
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